1.木のぬくもりを大切にしたた白雲荘は、民芸調の木造の館内に客室が8室とい、ゆっくり落ち着ける宿です。温泉の熱を利用した床暖房の廊下は、裸足で歩くようになっており、足の先からリラックスが始まる。 2.外観や部屋に関しては、地味な印象ではあったが、汗をかいたらいつでも着替えれるように、桐の小ダンスには質のいい浴衣が2枚用意されていていたり、上質な羽毛布団に、寝心地のいいマットレスなど見えないところに気遣いがうれしい。女性は浴衣を選べる。 3.白木の洋室には木のぬくもりがあふれる。個人のお客様がゆっくりくつろげるようにと、貸切時意外、団体客は受け入れて無く、カラオケも無論ない。 4.貸切の露天風呂は3mほどあろうかという、積み上げられた岩に囲まれた気分。湯舟には黒い玉砂利が沈められていて足裏をマッサージする。洗い場はなく、ここはお湯と雰囲気を楽しむところ。湯量の豊富なところらしく、たっぷりのお湯が掛け流しされる。 5.男女の内湯と貸切の内湯はほぼ同様の印象で、湯を透かして見る檜の風合がいい。白雲荘のお風呂は共同で掘った蒲田の湯・栃尾の湯の2種類の源泉を引湯しており2倍楽しむことができる。 6.山のものを中心に、既製品を一切使わないご主人の手作りの懐石料理。掘りごたつ式の食事どころは半個室となっていて、一瞬の食べごろを逃さぬよう順々に運ばれてくる。写真は春慶塗のお盆で頂く前菜。 7.飛騨牛の握りは感動ものです。牛一頭からほんの数キロしかとれない“イチボ”という部位をつかった、霜降りの極上肉のにぎりはトロのようなまったりとした味。 喉から鼻にかけて旨みが駈けぬけて行く。 8.飛騨地方の名産、朴葉ステーキ(2,625円)と岩魚の骨酒はどちらも追加注文(2,100円)。ちなみに牛肉の最高部位“ヒレ肉”が使用されている。どちらも二人で分け合うぐらいが調度いいだろう。 9.静かな館内にはゆったりとした時間が流れています。 10.翌朝はもう一つの貸しきり露天で朝風呂を。見事に手入れされた庭園 、ツツジの咲く頃にはまた素晴らしい眺めを見せてくれる事でしょう。
外観からその宿の魅力が伝わる宿も有れば、ゆっくりゆっくり宿の味がしみてくる宿もある。白雲荘はまさしく後者。初めてこの宿を訪れてから、他の宿にもたくさん泊めていただいたけど、この宿の料理の印象がなぜか頭の中にくっきり残っていました。もしかしてそれは、記憶の中で少し美化されたものなのかどうなのか、今回はそれを確かめるべく・・・(なんて、大げさなものでもありませんが)。外観は相変わらずなのですが、中に入ると「うん、悪くないんじゃない」っていう気に変わってきて、部屋に入っていろいろチェックしていると桐の小ダンスに入れられた浴衣、上質な羽毛布団、結構そろっているアメニティーなどなかなか行き届いている。そして料理だ。「うん、やっぱりここは料理の宿だ!」と確信したのでした。前菜の一品、ゆずの柿巻というのは甘く味付けされた柚子を干し柿で巻いたものらしく、なんともオツな味。他にも紅ますの昆布締めチーズ巻、味のバランスがいいふき味噌など、一口一口を楽しませてくれる。岩魚の塩焼きは、「今、焼きあがりました。」と言わんばかりの熱々で登場。これがいい塩加減で淡白な岩魚の風味を引き立てる。絶品なのが飛騨牛の握り。飛騨牛の握り表面を軽く炙った方は、塩のが少し載っていて、ジューシーでしつこさのない肉の脂がシャリとまざって口に広がり、感涙しそうになる。一方”たれ”で頂く生のほうは、スロースターターな”すれすれ”の味。我慢できずに飲み込んでしまう直前に旨さのピークを迎える。御飯が運ばれてくる頃には、もうだいぶ腹がいっぱいだったので、味見だけのつもりが・・・ふわりと優しい大根菜飯の風味、もちもちっとした食感に結局完食してしまったのには自分でも驚きでした。どう贔屓目に見ても、外観で「泊まってみたい」と思わせる宿ではないし、窓からの景色がもっとよければと感じる部屋もある。「山椒は小粒でぴりりと辛い」、そんな宿を目指しているご主人もそのことは十分承知しているが、「まずは中身、自分の納得いくものを」という性分のようだ。小宿は、こんな主や女将一人ひとりの個性から生まれるものだから、どこか地酒のように楽しい。