1.昔ながらの山里の雰囲気が今尚色濃く残る福地温泉。派手な看板とも、高い建物とも無縁の、どこか手づくりのような素朴で静かな温泉地です。 2.里山に懐かれた、客室数12室平屋建の「ひだ路」は、古民家風の中に清掃の行き届いた品の良さと機能性を携え、隠れ宿のごとく佇んでいる。 3.ロビーや食事処の天井を見上げると、太い梁が張り巡らされ壮観。日が落ちると、飴色の空気が漂う。 4.露天風呂は決して広いものではなく2〜3人で満室といった具合、とはいってもそれが不便なわけではない。この日は満室だったにもかかわらず、いつも貸しきり状態でした。シャンプーなども置かれないため、実質的にメインは部屋の風呂であり、こちらは気分転換用といったかんじだ。男女ともほぼ同様の印象。 5.梅シソの食前酒に始まったこの日の食事。古代米のおむすび、胡桃豆腐などの先付けは秋らし盛り付け。おばあちゃん手づくりという漬物・煮物の三皿は昔ながらの家庭料理で、とくに「コロいも」は上品な甘さで絶品。器も土の感触のするものがおおく、囲炉裏端での夕食は上質な田舎暮らし気分でホントに楽しい。 6.大好きな飛騨牛は石の盤で焼きます。大粒に切られたステーキは、噛むとじわりと肉汁があふれ出て感動。味噌汁、岩魚、五平餅などを温めて囲炉裏も大活躍。何よりも山の味がこんなに豊かなものかと驚く。 7.こちらは朝食。朝風呂の後だった私は、すばらしく旨いトマトジュースを飲み干して早速上機嫌。朴葉味噌と鉄鍋の味噌汁が囲炉裏の火ににかけられ食欲をそそる香りが立ち上る。こうなると木のお櫃で運ばれるごはんはお代りが必至。朝食をこんなに楽しませてくれる宿はありそうでなかなかない。 8.部屋は燻されたような木がふんだんに使われ昔っぽさを演出。部屋のつくりは全部一緒で10畳+炬燵部屋+露天+内湯。掘りごたつの部屋は床暖房となる。気持ちのいいくらい清掃が行き届き、アメニティーも充実しているののが嬉しい。 9.さあこちらが楽しみにしていた、部屋付の露天風呂。部屋からはいつでも自分専用の風呂から湯煙が見える。心を満たす眺めだ。湯煙と一緒に立ち上る上質なアロマテラピー。肌触りはやわらかく、長湯向き。意外なところでびっくりしたのが内湯。湯船から壁まで檜でできていてとても風情がある。 10.
福地温泉はどことなく手づくりの感触がする里山で、朝市に向かってそぞろ歩きする宿泊客もんびりとのどかな雰囲気だ。垣根で仕切られた宿の敷地へ入ると、外界から遮断された気分で、隠れ宿での時間が始まる。ひだ路は1998年開業の比較的新しい宿で、例えば古民家を移築したような年季入りの古さはないが、梁を縦横に巡らせた囲炉裏のロビーは、どっしりとした風格を館内に行き渡らせている。渡り廊下にほぼ2室づつ配置された部屋は清潔で機能的でホスピタリティーは高い。窓、鏡、床などの清掃の行き届いたところは、目に見えない快適さだ。そのうえアメニティー面での気遣いもうれしく、ハンドソープは陶器のものに入れ替えられ、うがい用のコップもな陶器もの、タオルも部屋、風呂場にたくさん用意されるなど、ハード的には昔っぽさを目指していながらも大事な部分での洗練を感じる。接客に関しても、比較的若いスタッフの対応はすがすがしい。もちろんプライベート感は守られ、入室もこちらから呼ばない限りはない。ひだ路の一番のポイントは、部屋に自分専用の露天風呂があることだろう。私もそれを楽しみにしていたのだが、実はこれが良い方向に裏切られた。もちろん部屋の露天風呂は快適だったが、そこだけが突出しているのではないのだ。料理や宿の雰囲気、訪れるお客さんまで含め、とてもいい調和をしている。とはいっても客室の露天風呂の有り難さは病みつきになりますね。個人的には料理にとても惹かれました。季節感ある盛り付けは土の感触のある器と相まってとても楽しい。動と静のメリハリが効いていて、山の味がこんなに豊かなものかと驚くとともに大満足でした。14:00〜11:00の長い滞在時間。特に朝の余裕は圧倒的にうれしい。朝市をぶらぶらしてもよし、敷きっぱなしの布団にゴロリとなるのも自由、部屋の外に待っている露天風呂で爽快さを独り占めするもよし。早めに食事をとっておけば 思いのままの朝が迎えられるでしょう。こんなにのんびりできると、ついつい長居したくなる。あと1時間、あと半日、もう一泊と・・・。