輪島温泉郷 ねぶた温泉 能登の庄 宿泊レポート

2007年4月の宿泊レポートです。

2002年10月の宿泊レポートはこちら

輪島・ねぶた温泉 能登の庄 キャプション

1.吹き抜けのロビーは民芸調の木の質感。素足で歩くのが気持ちいい全館畳ばりの館内。
2.輪島塗などの調度品が飾られ品の良さが漂う。チェックインを済ませると女性はお好みの浴衣を選ぶ楽しい時間が待っている。200種類もの浴衣が揃っているので、選ぶだけでも楽しい。
3.写真は1階の半露天風呂付のお部屋。他に陶器風呂のお風呂や、マッサージチェアー付のお部屋などもあります。どの部屋からも日本海を眺める大きな窓が設けられている。 手作りのお茶菓子はメロンの搾り汁がシロップになっていておいしい。旅の疲れが消えていきます。
4.「化粧水に浸かってるみたいだった。」風呂場から戻ってきた連れは興奮気味。3階に設けられた展望風呂は雄大な海の景色。ただ外の電線が惜しい。代わり湯は抜群にいい。PH10.5の高いアルカリ性を示す天然温泉は、片足入れただけで感じるまろみ感。湯上り後は一皮剥けたような新鮮な肌。
5.春を感じる筍・こごみ・うどなどの前菜、ごま豆腐には海草を混ぜて固めてあります(写真)。ちなみに花びらのような赤いのは赤西貝だそうです。蒸し物の道明寺包みの中は蟹とウナギ。絶妙な味つけの餡かけが抜群に旨かった。
6.能登春の海老三種。能登の塩で頂く。がす海老・白海老・ぼたん海老。輪島塗りの器も洒落てますね。
がす海老って初めて聞きました。ぼたん海老ねっとりと絡みつく濃厚な甘みはさすが高級海老。でもやぱり富山に住む私としては白海老の繊細な甘さが一番好き!
7.能登牛・あわび・季節の野菜の鉄板焼きは焼き過ぎないように食べごろを見計らっていただく。ごはんも春を告げる蛍烏賊と筍の炊き込みご飯。これはもうにっこりするしかないでしょ!本当に至福のひとときでした。
8.改装された内湯は壁や浴槽の縁、いす、桶までヒノキで統一されいい香りがする。サウナもあり、ゆっくり入りたい人にはうってつけだ。ただしこちらのお風呂は、日帰りのお客さんと共用です。
9.夕食後お腹が落ち着いたら、岩温浴へ。静かに音楽が流れるリラクゼーションルームで好きなハーブを選び、ドーム型の中へ体を入れるとすぐに気持ちよくなり夢の中へ。さらっとした汗が滝のように流れ出て終わったあとはすごい爽快感だった。
10.写真中央のくねくねしたやつは「すいぜん」といってもち米と天草で作った郷土料理だそうです。おいしい胡麻だれをつけていただきます。写真左はねぶた温泉でつくった温泉粥。サラダには自家製ドレッシングなど手が込んでいます。

輪島・ねぶた温泉 能登の庄 レビュー

 金沢から車で約2時間、「能登はやさしや土までも」と言われる能登半島を走る。
青い海、ダイナミックな景観、鄙びた漁村を通り過ぎてやっとたどり着いたのは、輪島の町。能登空港が完成して、東京からひとっ飛びできるようになりましたが、東京以外からのアクセスは相変わらず不便です。いえいえ、旅は多少不便なほうがいいんです。その土地らしさに出会えるのはこの不便さのおかげです。もしかしたら輪島塗やいしる(能登伝来の魚醤)などの独特な文化が育ち、残ったのも不便さの恩恵かもしれません。

 「能登の庄」は海に面したねぶた温泉の一軒宿。前は海、後ろには山を背負い、近くには畑と古い民家が数件あるだけの静かなロケーション。高台から湾の美しい曲線が見渡せ、天気がいいときの海の青さは格別。この宿は「日本一のアルカリ泉」といわれる湯が大きな特徴なのです。輪島塗りなどの調度品が飾られる館内は全面畳敷きになっていて、ここを素足で歩かせます。スリッパ無しは楽ちんです。決して隠れ宿っぽい秘めやかな雰囲気を感じさせる宿ではありません。
1階の大浴場日帰りの入浴客もいるし、売店なんかも北陸の旅館っぽさがちょっぴりあります。でも接客はとても丁寧で、いい気分で過ごすことができます。

 輪島塗の器を愛でながら食事できるのももこの宿ならではのこと。優美な汁椀から、造りをのせた頑丈そうなどんぶりに至るまで、もちろん輪島塗り。繊細な曲線、深い深い漆の黒。ただの黒では無い、朱や群青、全ての色を飲みこんだ色。それと対照的に唇に触れたときの易しく吸い付くような、あかちゃんの肌のようなやさしい感触。
  料理には隠し味に”いしる”が使われているという。いしるとは能登半島に古くから伝わる魚醤です。醤油は大豆がベースなのに対し、いしるはイカもしくはイワシを発酵させてものがベースだそうで、これがことのほか旨い。ついついお酒のすすむ料理。
  能登を器に表現するのは、金沢の料理屋で腕を振るった料理長。漁師町には調理に手をかけない豪快料理を出す宿はいくらでもあろうが、この宿の料理は丁寧に調理されていて、輪島塗とマッチした盛り付けも美しく、特に出汁の良さを感じられる料理であった。

 チェックアウトを済ませて、輪島の朝市へ向かうと、早速すごい活気。おばちゃんたちが引っ張るリヤカーは水揚げされたばかりの鮮魚や干物などをのせ市場通りに集結、朝の8:00地頃にはすでに250台ほどになっているそうだ。朝市通りをぶらつくと「能登はやさしや…」以上に、輪島の女のたくましさが際だつ。「こおてくだぁ!!」の叫び声は道の反対側を歩いている自分にまで飛んでくる。さすが漁師町。輪島の女は働き者で「亭主の一人や二人養えない女は甲斐性なし」と言われているそうです。
  うらやましいことなのか…ちょっと複雑です。

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