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アグネス
#200005805

こちらでの滞在はなぜかいつも3月と5月。
毎回こんな家に住みたいと思います。
部屋数が8室だからか、大きな家に住む知人宅にお呼ばれした感じなのです。
京町家のようなと称される事もありますが、京都で生まれ育った私にはもっとずっと明るくてモダンでそして正方形(笑)の印象。
地形を生かした建物は中庭を中心に太陽の光がふんだんに降り注いでいます。
秘密倶楽部の入口のような仕掛けの玄関から館内に入ると、ストーブのあるこじんまりしたロビー。
その奥には主の趣味を活かしたバー。
満室の時でも毎回なぜか貸切で贅沢な瞑想時間を過ごせる源泉あふれる浴場。
若女将が嗜まれるお茶の設えもある食事所。
と、1階にパブリックスペースが配置され、初めてでも迷う事はありません。
広い階段を上った2階には、ゆったりした廊下に面していくつものタイプの部屋が用意されています。
シンプルそうですが、細部までよく考えられた内装と配置。
寝具やタオルまで自ら開発する快適さへの追求も素晴らしいと思います。
だから居心地がよくてつい部屋に籠ってしまいます。

これではいけないと外に散歩に出ると、まだ宿の向かいの桜が残っていました。
宿は温泉街中心の便利な場所にあり、少し歩いた川の吊橋を渡ると4年前から行く度にあるのを確認するイノシシの檻の仕掛けと春の花々が迎えてくれました。
5月には川をまたいでたくさんのこいのぼりも見られます。
今回は地元の方がボランティアで魚の産卵場所を川の中に作られていました。
そんな光景を見るとここは湯治にぴったりとだと思います。

板室温泉は那須にほど近いのに、いつもずいぶん遠くまで来た気がします。
落ち着いた温泉街は時が止ったようにおだやかで、おおらか。
宿には滔々と流れる源泉、おいしくて適量の地のもの中心の食事、居心地の良い部屋、温かでつかず離れずの家族ぐるみのおもてなし。

小さな宿なのに海外からのリピーターや湯治のように何日も滞在される方がいるのも、皆ここの良さを知っているからでしょう。
いつも静かに過ごせるこの宿ですが、今回は平日の朝、大音響の演歌を流しながらトラックが食料を積んでやってきました。
聞けば湯治の人用との事。
ますます湯治してみたくなりました。
初めて訪ねた時に決めた全室制覇まであと半分。
次は他の季節やいずれ湯治もと夢想は果てしなく広がります。