愛知 伊良湖岬 ニューいらご
お部屋 3階の海の見える部屋

 

渥美半島の先っちょ、伊良湖岬は道・渚・白砂・青松・音風景など多くの日本百選に選ばれた風光明媚な岬。かつては休暇ともなれば名古屋からの観光客で相当にぎわったらしいが、いまは漁業と農業のさかんなのどかな土地だ。

 

フローリングのロビーに入ると、インパクトある真紅のソファーを真ん中に、レトロなミシンや蓄音機が取り囲む。着実に変化しようとしている様子が伺える。

 

テーブルクロスが洒落ている和室。部屋にはこの辺りの特産であるバラからつくったローズティーが用意されています。

 

食事は基本的に部屋食で、調理場から順にできたてを運んできてくれます。海のものと里のものを合わせた前菜類は丁寧な味つけで見た目にも気が使われている。

 

昼に獲れた魚をすぐに生簀に入れる”昼とれ”の鮮魚は素晴らしい味。魚の目がまだ生きてます。伊良湖水道の複雑な潮の流れは魚たちのしっかりした身をつくるのだそうだ。氷を敷いた上にわかめを褄代わりにと手がこんでいます。

 


ワタリガニ、アワビ、車エビ、そして煮物はカサゴです。この時期の旬の食材、しかも都会で食べようと思ったら値段のはりそうな高級食材がが続々登場。鮮度も抜群にいいです。

 

デザートには特産のメロンと自家製のプリン。ここにも手抜きがありません。

 

夕暮れ時に、部屋からは旅情あふれる漁港の景色が見えています。

 

温泉地ではないので沸かし湯だが、リニューアルしたばかりのお風呂はモダンな雰囲気で面白みがある。写真には写っていないがステンドグラスを使った光のアートが壁に映し出される。

 

 

朝食もかなり気合が入ってます。とにかく伊勢海老汁には絶品です。他にも漁師町ならではの品が並び朝から食欲がみなぎります。

 

 

 

 渥美半島の先端。伊勢湾に突き出た伊良湖岬は、時代に取り残されたようなのどかな場所。知人に誘われて行ったその宿、実のところ行く前はさほどの興味も涌かず…、だって「ニュー○○」という名前はバブルの終焉とともに地上から姿を消してしまったものかと思っていたし、その名前から想像するその姿は、「泊まってみたい」の食指をピクリとも動かさなかったのだ。でもこの宿、外観はあまりパッとしないが、泊まった人の評判は結構いいらしい。伊良湖岬へ向けて車を走らせると、なるほど観光面では手つかずの土地。右手に海を感じながら道路は延々畑の中を走る。特産はメロンやイチゴらしい。伊良湖岬は「常春の岬」と呼ばれるように温暖な気候、ドライブにはもってこい。その宿は岬の先端、灯台まで歩いていけるほどの距離に建っていた。外観をみて…うーん確かに「ニューいらご」だ…。ところがフローリングのロビーに入ると真紅のモダンなソファーが中央に、周りにはレトロなミシンやらポスターやら面白い置物などが取り囲む。なかなかがんばっている様子が伝わってくる。迎えてくれた若女将もとっても感じのいい方だ。知人が誘った理由は料理にある。「ふぐ、すっぽん、伊勢海老」の「和の三大味覚」が堪能できるそうなのだ。特にすっぽんは食通が最後にいくつく料理らしい。今回はこの宿のベーシックな味を知りたくてあえて標準的なコースでお願いしたが、料理のこだわりは十分に感じ取ることができた。前菜類は細かい味の変化を楽しむことができ、造りは「昼獲れ」の魚の活き造りだ。魚の目はまだ生きているし、車海老はぴょんぴょん器から飛び出す。アワビのステーキ、大きいワタリガニを一匹まんま茹でたもの、揚げたての牡蠣フライなどかなりボリュームを頂いた。料理を担当する若主人と話をしていたら、すっぽん鍋でのクセを消す工夫や地物の伊勢海老と輸入もののロブスターとの違いなど、料理の話が始まるともう止まらない。食材は漁師でもあるお父さんが自ら船を出し、さらには畑も耕す。自分で獲った魚や育てた野菜がお客さんに食べてもらえるのがなによりうれしいそうだ。自分たちにできることを精一杯やっている、真っ正直な姿勢が伝わってくる。もとは宿を継ぐ気なんて全然なかった現若主人。里帰りしたとき、自分を育てた家業の宿に来るお客さんが、滞在を楽しむなんてレベルではなく「泊まれればいいや」くらいの団体旅行ばかり。それが相当ショックだったらしく一念発起、若主人の思いは宿に浸透しつつある。あるとき突然大変身する宿がある。それは外からは見えないが内部から着実に変化が始まるものだ。本日の宿、もしかしたら…と思わせる。

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