奥飛騨の人里離れた福地温泉(ふくぢと濁る)は昔話に出てきそうな秘めやかな集落

駐車場に車を止めるとちょっとした休み処が姿を見せる。
もうこの感じがすっかり気に入りここでしばらく写真を撮りなくなる。

囲炉裏からはちょっぴり木の焼ける匂い。
まだ寒くはないのでフル稼働はしてない様子。

帳場までは木々の間の道を少し上ります。こんな「タメ」のあるつくり、好きです

 

この先の桂の木が生い茂る山間に、ぽつりぽつり点在する離れ家10棟。

舌なめずりの光景にはしゃぎ出したい気持ちをなんとか宥めすかしながら歩いていきます。

 

約150年前の豪農の屋敷を移築した母屋はここのシンボル

その黒光りする床板は一つとして同じ形のものがなく、不揃が集合体になったとき見事な造形物となる。

この圧倒的に非日常的な空間に気圧され、チェックインしたばかりだというのに
「ぜったい、また来たい。」
と思ってしまっているのは、さすがに気が早いか笑

お洒落浴衣が借りられるようです。無料だったかな?借りなかったので分からず。

 

予約していたのは「柿香庵 しこうあん(603号室)」という、部屋に露天風呂の備わる離れだ。

確認したわけではないけど天井や戸などの建具は柿渋が塗られていてそこから名付けられたのではないでしょうか。

次の間は囲炉裏の間。雪見障子からみえる緑が美しい。

部屋に露天風呂はあるがそれは後でゆっくり入るとして大浴場へ急ぐことにした。

木の湯舟、木の壁、天井で交差する梁。素晴らしい風格。他にお客さんが居ないことをいいことに丸太のところに頭をのせて仰向けになり湯に体を預けてくつろいだ。

内湯からつながる露天風呂。大きな岩が湯舟の上に横たわる大胆なつくりだ。岩の下を頭スレスレでくぐると向こう側へ行ける。ここから望む山の景色が出色らしいのだが僕はむしろこの緑の葉っぱたちが覆いかぶさって来る感じが幻想的で心地よかった。

 

小さな読書室で湯冷まし。「柿香庵」のお部屋を出てすぐ目の前。

めちゃめちゃ雰囲気がいい!

続いて貸切風呂へ。

部屋にお風呂(もちろん源泉100%の温泉)があるのにパブリックなお風呂から攻めるは、食べ物で言うなら個人個人に小分けされた食べ物は後回しにして、大皿から仕留めていこうという欲深かさに通じる笑

貸切風呂は2ヶ所有り、どちらも内湯と露天風呂がワンセットになっている。

 

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