愛知 伊良湖岬 ニューいらご
お部屋 3階の海の見える部屋

 

設備は前回とあまり変わりが無いので、新しい料理、コースいらごメインのレポートです。

 

その皿は驚きをもたらしました。一つの皿の中に凝縮された伊良湖の海の情景。まさか音まで演出するとは・・・。貝殻の上には真珠をイメージしたと言うゼリーの甘酢とたいら貝。ぷちぷちとはじけるその中からはグレープフルーツ風味のジュレが。

 

空豆、小さなロールキャベツ、アサリの一口寿司、ほおずきの中にはトマトだった。にんじんのスープ、かものロース菜の花を巻いて。

 

渥美牛の軽いスモーク、エスプレッソムース。渥美牛はホルスタインの血が混ざっているためか肉もミルクの風味。なのでミルクと相性のいいカプチーノソースとあわせ、スモークしているそうだ。コーヒー風味のお肉とはまったくの予想外。未知の美味しさに出会い、感動しました。

 

「はまぐりでしょっ」、と思ってしまうくらいの伊良湖の大きなあさり。海の栄養がいいんでしょうね?。大味なのかと思いきやとっても旨い。さすが貝の宝庫。

 

抜群にうまかったのがこれ。伊良湖産のあま?いトマトの水気を飛ばして味を凝縮させたクリームソース、その中からは赤ピーマンのムースがでてきました。一滴のシェリービネガーが隠し味になっていると言う。見た目も味も素晴らしい!

 

赤座海老のクリーム仕立て。海老をソテーしたときに出る出汁に伊勢海老からとった特性ソースをからめている。 伊勢海老の味噌からでる濃厚で深いコクは病みつきになる!

 

このインパクトに思わず歓声があがったカサゴとアサリのアクアパッザ。 アサリの出汁がカサゴの繊細な味を引き立てていました。

 

海鮮レギュラーコースに出てくる手づくりプリンも美味しいですが、このコースのスウィーツ地元で評判のケーキ屋さんから取り寄せているようです。

 

海側の部屋から見える夜景。 あとは風呂に入って寝ればいいだけ。幸せ、幸せ?。

 

 

 

温泉でもないし、露天風呂もない、設備が新しいわけでもない。でも、そんなことを忘れさせる一夜だった。ここ1?2年くらいデザイナーズ旅館ばかりに目が向っていたけど、最近個性の際立った宿に回帰しています。人気宿をコピーしいたような宿ではなく、土着のものであったり、宿を営む人が苦心して作り上げたものへの 愛情 。さて、そのニューいらご。前回のレポート以来、後何度かお世話になっていたの です が、今回どうしても宿泊レポを書かずに い られなくなったのは 、 料理が劇的に進化していたから。館内は前回行った時から大して変わっていないので、今回は新しい料理コースイラゴ2009をじっくりとレポートとしました。

渥美半島の先端。農道と区別のつかない様な畑と畑の間 の道を 進む。 半島の先端が 鮮魚や貝のうまさで定評のある伊良湖岬。言っては失礼だが、見た目はどこにでもありそうな一時代前の建物。だが一歩中に入ってみると、「うん、なかなかいいじゃない。」って、微妙に印象が上向く。なにより、家族で営む宿 、 人が優しくって親切。 特に 若女将さんの接客はホント癒されます。マニュアル通りに言わされる、「いらっしゃいませ」に辟易しているならば、こういう小さいけども志のある宿の接客はうれしい。館内にいてに入って思うのは、この宿、「できることは精一杯やる。」なんだなぁ、ということ。部屋自体は流行の宿と比べると見劣りするのは否めない。 でも、設えなども一生懸命向上しようとする気配が随所 感じられるから、好きにならずにいられない。この宿の根っこの魅力は “ 人 “ なのだ。その延長上に料理がある。

 つまりここは「海のオーベルジュ」。

こんな場末で(言ってしまった)、しかも比較的庶民派の宿で、 今まで見たこともない 独創的な料理が出てくるという意外性。こういう料理って、都会の気張った高級レストランで正装していただくのイメージしかなかった。ムードは太刀打ちできないがこちらは産地真っ只中 。しかも 海の音が聞こえるロケーション。それに、浴衣姿で座布団に浴衣姿でリラックスしながらという 逆 ドレスコードで 食べる のもなかなかいものだ。そのあとは緩みきった気分のまま風呂に入って、テレビ見ながら寝てしまえばいい。だらけきった滞在を許してもらえるのもこの宿ならでは。

ニューいらごは 以前から、料理で知る人ぞ知る宿でした。宿の若夫婦のお父さんはその日宿で使う分の漁に、朝、舟を出す。食材感を大切に、地元の味をベースにした上等なローカル料理。この料理は「地魚おまかせコース」として残ってはいますが、今回 のコースイラゴ 2009 は 和の料理人が郷土の食材を使って、洋のテイストで作った料理。言い換えれば、板場を仕切る若旦那のフレンチへの憧れ や、料理の新たな可能性への探究心 がダイレクトに現れた料理でありましょう。今までは見た目は 斬新 でも味付けは地元志向であったと振り返る若旦那。試行錯誤の末、県外出身の若女将が ” 美味しい! ” って感じる味付けに軌道修正。そうして出来上がった今回の料理。「伊良湖の地魚を食べに行こうか」というお客さんからこれからは「ニューいらごの料理を食べに行こう」といふうに意識を変えるくらいの魅力があります。料理に関して異常なまでに研究熱心な若旦那。「頭の中で、 ” この味とこの味を組み合わせたらどんな味になるかな? ” って考えるのが楽しいんです」と、魚恵のご主人と言っている内容が共通 していて おもしろかった。

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