東大寺 南大門

出張の帰りにぶらりと奈良に寄ってみた。

 

東大寺 南大門

中学校の修学旅行で訪れたっきりだから約30年ぶりになる。

 

東大寺の参道から

大和路の景色の一片をほんの少しだけ思い出すことはできるんだけど、
それが修学旅行で訪れたときのものなのか、ガイドブックで見たものなのかもはや定かではない。

それくらい遠い記憶。

 

東大寺の参道から

まぁなんといったって、そのときの修学旅行で、自分は大失態を演じた。

夕食は大宴会場に全クラスが集まって食べる。
300人くらいはいただろう。

 

大仏殿の中門

食事が終盤になったころ、先生が数人壇上にのぼり、
「おーい、みんな聴け。落し物がいっぱい届いてるぞ。」
「いまからここで見せるから取りに来い。」
と、オークション会場のように壇の上から品物を振りかざした。

落とし主の生徒は、
あるものは頭をかきかき、
あるものは恥ずかしさを隠すのにムスッとし壇上に取に行く・・・ということが繰り返された。

 

そしてだ。

 

 

写真を撮ってたら、見知らぬ女の子が走ってきて

 

「おーい、こんなもんまであるぞ!」
この先生は、わりかしひょうきんで人気のある先生だ。
その分遠慮もない。
「ほれ。パンツ!男風呂の脱衣所にあったってよ!」
300人は大爆笑だ。
もちろんおいらだって笑ったさ。

 

いきなりポージング(笑)

 

「おい、名前がかいてあるぞ」
先生はマイク片手に、一方の手でそれをつまみあげる。

 

そして読み上げた。

 

僕の顔が、引きつった。

 

トランクスならまだ救いも合ったが、
その当時は白いブリーフしかはいたことが無かった。

 

”持ち物には全部に名前を書いてくるように”
そんな言いつけを律儀に守ったことを激しく後悔した。

ランウェイと壇上の往復、
密かに思いを寄せているあの娘も、きっとこのマヌケ野郎を見ているのだろうと思うと、
これは拷問のような辱めだった。

だからあの修学旅行の記憶はそれしかない。

 

さらにポージング(笑)30秒後、親に連行されてった。

まぁ、奈良にはそんな思い出がありました。
出張の帰り道、ここはいっぱつ「奈良ぶらりひとり旅」だとしゃれこんでみたものの・・・。
30年ぶりの奈良、どこへ向かっていいのかわらん。
ガイドブックも予備知識も持たないまま「まだ鹿のケツしか拝んどらんと」つぶやいたら、奈良出身のfb友達から

「二月堂は是非とも
夕日が・・・」

という暗号のようなコメントが寄せられた。

 

二月堂の夕日

そしてすばらしい景色に出会いました。
一日の終わり
この夕日が、太古と今をつなぐ。

 

DSC_0326[1]

大変だった一日も、恥ずかしい思い出も
いったん一区切り
この夕暮れが、じわじわと溶かしていきます。

 

太古の昔の大和の人々も
こんな夕日を見てたかな

 

またあした。

2 Comments
  1.  おひさしぶりです!
    連日の暑い毎日、心和む古につながる夕陽の美しさをありがとうございます♪
    しかし、タビエルさんは文章がお上手でいつも惹き込まれております
    こんな素敵なページが自身で出来たら良いのになぁっていつも思っております
    京都にはない静寂と古につながる表現し難たいなんともいえない馨りのある場所が奈良だと思います
    この秋、訳あって御岳山の麓の評判の一軒宿に訪れることとなりました・・
    温泉ではないのでアップに相応しいか否か困惑しておりますが、とりあえずご報告まで
    いつも楽しみにしております
    どうか猛暑の中、お身体に留意されて元気に過ごされます様・・

    1. ナオピロさん こんにちは!
      もったいないお言葉、素直に喜んじゃいます!
      奈良の印象、わかります。ほんの数時間歩いただけですが、高い建物があんまいないためか、どことなくのどかでした。

      御岳山の一件宿、楽しみですね!
      タビエルは温泉に限定してませんので、ナオピロさんのお気に入りの宿となりましたら是非お話お聞かせくださいませ?!

      ありがとうございます。

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