この大正ロマンそのものの温泉宿は良かったよ。
俺らはミーハーだから写真の「能登屋旅館」に泊まったのだ。
あまり和風の旅館には泊まらないけど、たまには良いね。落ち着くし。
この温泉は、「おしん」の舞台だそうで、能登屋にも玄関に写真が飾ってあった。
その写真には、音羽信子とあと一人意地悪そうなおばさんが写っていた。
「音羽信子といっしょに写ってる人誰だっけか?」
「どうせ、一緒におしんをいじめていた人だろう。」
夜になって、その意地悪そうなおばさん(お女将)が、どぶろくと名物の
漬物(何だったか詳しくは忘れた。)を持ってきてくれた。
さっきの話が聞こえていたかと思い、ちょっとあせったぜ。
俺らは、一泊しかしなかったけれど、昔はず?と泊まりこんでいて、
宿泊客同士が知り合いになって、あちこちのお風呂に入りに行ったそうだ。
温泉宿意外、何にも無いところだから、そういうすごし方がいいんだろうね。