岩手　つなぎ温泉　湖山荘
お部屋　離れ　駒形

1.湖を見下ろせる丘の上へ。門の前には８４℃の源泉が誇らしげに湯けむりをあげ、イオウの匂いが少し漂う。その奥には時代劇に出てきそうな風格のある 門。日帰りのお客さんも訪れ、地元の方との程よい接点がある。

一通り説明を受け、「では今からお菓子を持ってきます」と運ばれてきたのはヨモギ餅と冷たい緑茶。敷地内のヨモギを摘んだお手製の餅、梅のソースが効 いている。冷茶は湧き水で淹れたそうだで 　青森ヒバの離れはまるで一軒家が並んでるよう。

目の前は御所湖を見下ろすすばらしい景色です。

客室にはいってはじめて目に飛び込む景色は、大きなスクリーンに映し出されたレイクビュー。

離れ「駒形」には内湯と露天風呂がついています。やはりまずはその露天風呂に足が向く。もちろん源泉かけ流し。こういうロケーションで自分だけの露天 風呂に入れるというのはなかなかありませんからね。静かな湖を見下ろしながら、のんびりとした時が過ぎていく。

おそらくこの露天風呂は東北最大級の大きさなのではないだろうか。しかも約８５℃の天然温泉が源泉のまま注がれている。こんな大きな風呂が作れるのも 露天風呂専用の源泉がすぐ裏にあり、ここからかなりの湯量が涌き出ているからこそ。

造りはニジマスと岩魚。近くの川でとってきた石の表面を平に加工しきんきんに冷やされている。

小岩井農場の牛乳でつくった豆腐は胡桃豆腐とチーズの中間のような味で旨かった。 　右下のヤマメは２度揚げしてあるので頭からパクリ。ホクホクで骨も分からないくらい。

雫石牛と岩手短角牛の２種類の肉を食べ比べ。前者は脂ののった肉で、後者は野に放牧しているために、脂の落ちたあっさり味。 　肉はもちろん、器まで温かい。

朝起きて、今度は部屋の内湯へ。小さなテレビが設置されていて、これをぼんやり眺めながらのんびりと過ごす。

早朝より炊かれる釜戸のお米。農家から直接仕入れる米は胚芽にすこし麦を入れてあるそうだ。朝食は素朴で素材が分かる手作り料理。自由に飲めるよう に用意されている野菜茶と牛乳濃くて甘い。

（至福の湯宿に掲載したものを少しアレンジして書いてます。）
湖山荘はつなぎ温泉の温泉街を離れ、湖を見下ろす小高い丘に一軒宿の様に静に佇んでいる。この丘一帯が宿の敷地でのどかな集落に足を踏み入れたような気 分。本館客室部分のみが二階建てでその他は平屋建てなので、もともとの地形や景観に馴染む。レイクビューのロケーションもそうだが、大きな露天風呂も圧巻 だ。敷地内に２つの源泉があって大露天には８４℃の源泉、内湯には５４℃の単純硫黄泉が注がれているそうだ。あの露天風呂を源泉で満たすとあらば湯量も豊 富に違いない。本日のお泊りは離れ、内湯と露天風呂がある「駒形」。一番人気らしい。エントランスが本館とは別に用意されている。特別扱いにすこしくすぐ られる。離れは古くから日本の風土で鍛え上げられた青森ヒバの木造建築。これだけしっかりした建物にもかかわらず結構リーズナブルなのがうれしい。客室に はいってはじめて目に飛び込む景色は、大きなスクリーンに映し出されたレイクビュー。部屋備わる露天風呂も湖側にあり、湖面を眺めながら入浴できるという 仕掛け。最近、部屋に専用露天風呂をつける宿が多くなってきたが、狭いベランダに無理やり後付で押し込みましたという感じの露天風呂が少なくない。しかし ここは別。ゆとりのゆったりサイズで、当たり前のように源泉掛け流しの湯だ。３棟の一軒家は渡り廊下でつながれる事なくそれぞれ完全に独立して建つ。離れ というか一戸建。客室係の部屋への出入りも最小限でプライベート感は申し分ない。本館も見せてもらったが、こちらも順次リニューアルされていて、特に1階 の部屋はお得度は高いと思う。スタッフは若く、快活。食事時には客室係の女性スタッフはにこやかに私たちの話に付き合ってくれた。朝の湖はちょっと違う表 情。色彩はなく、白い湖面の上をそれより白い霧がゆっくり撫でていく。遠く下のほうから車の通る音は聞えてくるが、気になるほどではない。風呂上り、湖を 見下ろすウッドデッキで籐の椅子に寝そべり、滞っている記事に手をつけようか、このまま寝てしまおうか綱引きの最中。そよ風が火照った体を撫でていく。庭 に咲くつつじ越しに見える御所湖は大きな川のように横に長く、視界全部を使っても収まりきらない。代わりに奥行きは浅く、対岸がよく見える。木々の緑が横 に連なり、その向こうは裾野をたっぷりもった山の稜線。その奥はもう霧に隠れて見えない。きっとあの奥には小岩井農場があるに違いない。野鳥が囀ってい る。一眠りすることにした。