長野 仙仁温泉 岩の湯
お部屋

 

布施から程近い閑静な山間に、”一年近く先まで予約が取れない”と噂の宿があります。豊かな自然の中、周囲は山々と渓流しかなく、渓流にかかる橋の奥に外からは目立たずにひっそりと佇む一軒宿。

 

はこじんまりとしかも、上品な造りの玄関、その奥には入り口からは想像できないほど充実した館内が展開されます。渓流沿いの斜面に沿って横長く建つ宿は、統一感のある照明やインテリアなどはもちろん、周囲の自然とのマッチングも秀逸。派手過ぎず、しかしながらモダンかつ落ち着いた空間を演出しています。

 

館内にはとにかく気軽に寛げるテラスやサロン、読書室などのパブリックスペースが充実。どっしりとしたソファーが置かれたテラス、重厚な洋室の佇まいの中で裏庭を望める事ができる読書室、開放感が素晴らしく気持ちの良いサンテラス・・・。きっと自分のお気に入りの場所を見つけることもできるでしょう。

 

さてさて大きな楽しみの一つそれが洞窟風呂です。洞窟は奥へ奥へと約30メートル。童心に返ってちょっとした探検気分です。更に嬉しいことに温めの源泉が大量に溢れており、サウナのような状態の中で長湯を楽しめる。原則混浴ですが洞窟風呂ではバスタオルを巻いての入浴となるため、女性でも抵抗は少ないでしょう。

 

内湯はあまり広くなく、洞窟風呂へ行く前に体を温めたり、上がり湯にしたりといった実用性に徹した感じです。良質の源泉の湯は浸かっている時は温めでも、風呂から上がるとポカポカする不思議な湯。またお風呂の清掃面や脱衣所に置かれたタオル類、洗面所のアメニティ類など、使いやすさの面からも非常に高く評価できます。

 

館内には二つの貸切風呂があります。とりわけ魅力的なのがサンテラスの脇にある貸切風呂。こちらはバリ島などアジアンテイストを前面に出した造りで他のお風呂とはまた異なる雰囲気。内湯のほか宿で唯一の露天風呂も用意され、晴れた日には青空や星空を望むことができまさに極楽。だいぶ人気らしく競争率も高いです。

 

夕食は山里の懐石料理。熱いものは熱いうち、冷たいものは冷たいうちに、どの料理も一番美味しい状態でいただけます。山菜や茸類など季節感ある山の素材を上手く活かした料理。鮎などの塩焼きを笹の上に盛り付けたり、信州牛を石焼きステーキにしたりと豪快な料理もあり、見た目でも楽しませてくれます。

 

[one_third]

[/one_third][one_third]

[/one_third][one_third last]

[/one_third]

夕食の時間は軽く二時間以上はかかりますが、それすらも気にならない料理の数々は秀逸ですね。最後にはデザートまで用意され、更には部屋に簡単な夜食まで用意されるなどと満足を通り越して、食べ切れないほどの内容とも言えるかもしれません。

 

客室は本館、仙寿亭、仙山亭の棟があり、仙山亭は離れ風の客室であり、全ての客室が二間以上と広々とした造り。部屋風呂も備わりる。一方の本館や仙寿亭は8畳から12畳程の一間部屋が多く、和室の中にも洋風ソファーなどが置かれるなど和洋の雰囲気が融合されている。

 

深夜や昼間でも利用できる喫茶室は洋風レトロの造り。洒落た建物の中にはテーブル席やカウンター席はもちろん、個室もあり、渓流や周囲の山々を望みながらの一時は至福そのもの。アルコール類から、紅茶やコーヒー、そして自家製のケーキなどが用意され、気軽に利用できます。

 

 

 

一度訪ねたら必ずリピーターになる、その意味を泊まって知ることができました。べた褒めですが、僕自身も「岩の湯」のファンになってしまったことは事実です。周囲の自然環境を壊さず、それでいて上手く取りこむ雰囲気、これは秀逸です。館内、敷地内にあるチェアやソファなどは一歩間違えれば空間をぶち壊しますが、ここでは、全てが一つの空間として出来上がっています。「岩の湯」、一言で言えば隙の無い宿ですね。「あせび野」で感じたのは研究され計算された隙のなさでしたが、「岩の湯」で感じたのは現場で培われた隙のなさ。とにかくホスピタリティが徹底されています。気持ちの良い接客、マニュアル通りでなく、臨機応変に、宿の従業員それぞれが、それぞれにもてなそうとする気持ちが伝わってくるんです。

例えば予約が取れない場合でも不快ではなく「また電話をかけてみよう」と思わせるような応対。宿への到着時は玄関前で必ず迎えてくれて、荷物を運んでくれてフロント、ラウンジへ案内。館内の案内、客室の説明なども丁寧でありながらも親しみのあるもので、とても好感が持てました。とにかく滞在中は接客面で不満に感じるような部分は無く、宿泊客としてとても気持ち良い時を過ごすことができたと言えます。従業員の教育、と言うよりはお客をもてなし、何を望んでいるのかを理解する姿勢が徹底されていると感じました。かといって決して行き過ぎたことは無く、宿泊客が不自由なく自分の時間をゆっくりと過ごせ空間が演出されていてて従業員はあくまでそのサポート、その対応ぶりは素晴らしいの一言でした。最低の宿泊料金でも一人二万円以上と決して安くはありません。しかしながらホスピタリティが徹底された接客に、充実した設備と居心地の良い空間、そして他には無い洞窟風呂や貸切風呂、更には山の幸をふんだんに使った季節感ある料理など、その料金すらも安く思える魅力がこの宿にはあると思えます。至福の時間を過ごせる温泉宿、予約さえ取れれば絶対のおすすめです。この様に書くと、改めて予約が取れない点も頷けます。思わず来年の春と夏頃に予約をしてしまいました・・・。

2 Comments
  1. 2008年6月の宿泊以来、5年降り4回目の宿泊です。
    宿は少しずつ進化しているようで、女性の内湯に以前池があったところを
    露天風呂にしてあり、とても快適でした。
    また洞窟風呂も浅かったのを深くして(腰)長めの紙パンツをはき,ゆあみ着をつけて
    安全な混浴で入れます。(男性も長めの紙パンツ)
    貸切風呂の周辺の休む所も心地良くなっています。

    心地よくないのは料金ですね、一番お安い8畳間で一人27000円です。
    来年まで空いておりません。
    昨日も土曜日か満室でした、私達は1年前から予約ましたが、お安い仙寿亭は
    一杯で、仙郷亭に、価格が高い分お部屋も感じよかったでが・・・
    フロントで帰るひとほとんど次回を予約していくのにビックリした。
    書く言う、私の友人も来年5月を予約しました。

    1. マダムKさん 岩の湯もう4回目なんですね、うらやまし?!
      洞窟風呂はそういう装備で入るのですか、これなら混浴でも安心ですね。
      多くの外国人のかたは「人前でハダカをさらすなんてムリ」ということを最近教えてもらったのですが、これなら大丈夫かな?

      確かに料金は心地よくないですね?(笑)
      15年位前、連れが行ったときはまだぎりぎり1万円台の後半で泊まれたと言ってましたが・・・
      それでもやっぱり予約とれないという伝説は本当なんですね。驚きです。

      またいろいろお話聞かせてくださいね、ありがとー!

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です