宿泊日 2009年4月
お部屋 本館 露天風呂付き客室

 

箱根です。

芦ノ湖には何度か来ていましたが、いつも元箱根のほうばかりだったが、
今回は箱根ロープウェイの乗り口に近いほうの湖尻茶屋へいってみた。

「オーベルジュ・オー・ミラドーは、ここかぁ!」

途中、日本のオーベルジュの草分けと言われているミラドーを見つけて、テンションが上がってしまいました。もうちょっと車を走らせて仙石原湿原を過ぎると、本日の宿、仙郷楼に到着。

 

仙石原の近く、ちょっとした高台に仙郷楼はありました。
創業明治3年の老舗宿。1万5,000坪の敷地面積に日本庭園が横たわる。
このアプローチが多くのVIPを迎えてきたんだろう。

 

玄関を入るとひと、インパクトのある光景が目に飛び込んできた。
そのビジュアルに見とれているとお宿の方が

「勝負椅子です(笑)。」

と、教えてくれた。

じつはこの気張ったビジュアルと、そのフレンドリーなコメントのギャップに、なんだか楽しい気分になってきた。

 

 

 

ロビーラウンジは帝国ホテルをイメージして設計されたと言う。

今回の仙郷楼のリニューアルには石井建築事務所が携わっているので、興味津々だったのです。石井建築事務所は知らなくてもあせび野、箱根吟遊、茶寮宗園など超人気宿を手がけたところ、といえばご理解いただけますね。

 

 

部屋のテラスから。少し高台にいるので外輪山に囲まれている様子がよく分かる。

建物は通りから奥まったところにあるものの、そこは箱根。
日のあるうちは車の往来が多く、音も少し気になりはする。しかし部屋からの眺めは素晴らしいものだった。

 

広い庭園を散歩してみることにした。4月半ばの晴れた日。地面には筍が顔をだし、

 

 

野鳥のさえずりがシャワーのように降り注いでくる。
見上げると、野鳥発見!
庭園はもう自然の一部なのでしょう

 

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昔ながらの雰囲気も随所に健在です。

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窓の外は外輪山の景色。洗い場はしきりがあり、そのちょっとした心遣いがうれしい。こちらは男湯で女性もほぼ同様。

 

大涌谷から引かれる天然温泉が源泉掛け流しされています。
たくさんの湯の花が沈殿していて、そこに身体を沈めると白い湯の花ががふわぁっと舞っていた。
しっとりというよりはつるつるむきたてゆでタマゴ。顔を洗ったらつるんつるんしていた。

 

風呂上りにライブラリーをぶらついてみた。伊東深水の美人画などがある。

 

部屋に戻ると

「家のソファーより気持ちいい?」

という言葉を最後に、連れはカウチソファーで眠り込んでしまった。
フロアは床暖房なので冬でも快適だろう。

 

部屋のテラスから見る外輪山に沈む夕日。箱根でこんなキレイな夕焼けが見られるなんて!

寝こけてる連れをよそに部屋で夕食を待っていたら、どんどん日が暮れてきた。
夕陽は山の向こうへと急ぎ、それにつれて地上には刻一刻と夜の帳がかけられていく。
地上の灯りは、たかが太陽ひとつに支配されているのかと不思議な気持ちになった。

 

 

(後編につづく)

 

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