さてさておまちかね、夕食の席に着いた。

古民家なしつらえの個室のテーブルにはちょっとした囲炉裏が切られ、炭がオレンジ色を放っている。

 

スタートは砂肝と行者にんにくのおひたし。

「おっ、旅館料理っぽくない。」

もちろん、いい意味でだ。
砂肝のこりっとした食感。ただ居酒屋で食べるようなそれではなく、なぜだか上品なのだ。
連れは、

「ビールがすすむ」

と重みのある一言。
自分は汁を飲み干した。

 

八寸。かわいい。かるくジャブを繰り出してくる。

「この粒粒、昔食べたスナック菓子の味に似てる」

「なんやったっけ~??」

家に帰ってからなつかしの菓子を検索した。

 

ふわっ・・・・ふわ~。真薯(しんじょ)のお吸い物だ。
飲み込んだ汁を追いかけるようにやさしい甘い風味が喉をすり抜けていく。
こころ穏やかになっていった。

 

これなんとお造りなんですよ。岩魚だったかな?

 

鱒のヨーグルトソース(だったとおもう)

 

「山菜がもう今シーズンは最後なのですが、味見してみてください。」

と、オーナー料理長の江間さんがもってきてくれた。
ということはこれサービスの品だったのかも!
お品書きをなくしてしまったので定かではないけど。

 

「頭が高いっ!」

「はは~ぁぁぁ!」

A5ランクの飛騨牛ひれ伏す庶民。

 

囲炉裏の炭火で網焼き。
「焼きすぎると、味が落ちますので」
とスタッフが説明してくれるも、意識はもう飛騨牛に集中している。

この飛騨牛は衝撃でした。
箸で持ち上げるとずっしりと重い。
頬張った連れは

のけぞった。

そして、左手が痙攣するかのように宙で上下運動してる。

 

手前はパスタのサラダ。洒落てますね。マッシュポテトがからめてある。

奥は茶碗蒸しなのだが、スープのパイ包み焼きみたいな要領で蓋のようになっているパリパリを割って食べる。こんな茶碗蒸し初めて!

 

お麩の卵とじ

 

ごはんつぶがつやつや。お米の旨さというのが本当によく分かる。

家で焚いてもこうならないんだよな~

 

イチゴのブラマンジェ

さすが料理旅館を名乗る宿だ。
満ち足りた気持ちでスイーツにたどり着いたのだ。

 

夕食の後、上機嫌で再び風呂へと向かった。

夜には星空がすばらしいらいらしく、風呂場の電気を消して入れるようになっている。

 

 

 

人間て・・・

欲深いんです。

あんだけ腹いっぱいになってのに、夜食が届いてあってこんだけ嬉しいっぇのはどういうこった。
しかもおぼろこんぶにまかれた岩魚寿司。こんな上質な夜食は初めてです。

 

翌朝目が覚めて、朝風呂

ここは母屋の桧の湯。階段下りてすぐなのがうれしい。

 

朝食も前の晩と同じ食事処へ

珍しいですね、鮎の一夜干しなんて初めて食しました。

飛騨の名物の朴葉みそ焼き。これを食べると「飛騨に来たな~」と実感。ごはんが進みます。

 

五平餅にはうるさい連れが

「これは今まで生きてきな中でNO.1やわ」

と豪語した。しかし、そもそも何で五平餅にそんなに熱いのさ?

 

 

和のオーベルジュ

FBでお友達になったFさんが何度も訪れている。
それを知って、饗家に興味を持ち始めたのだ。
Fさんはおそらく食に精通してる。なので饗家はきっと、料理が宿のウェイトを9割くらい占める、たとえば伊豆・伊東温泉の「花季(はなごよみ)」のようなミニマムな宿をイメージしていた。

宿に到着してみると、なるほど間口の広くない、旅館と言うより家のような玄関だ。
中に入ると素足で歩ける畳敷き、焚かれたお香に、

「おやっ」

と思う。
なんというか、なかなかの上質感なのだ。
帳場へ向かう通路をあえて曲げた”ため”が心憎い。

来てみてわかったのだが、饗家には母屋と山草庵という離れの二つの棟があって、1日五組の客に対してはけっこうゆったりした空間が用意されているのだ。
貸切風呂は4箇所。しかもいずれも内湯と露天がセットになっているという充実ぶり。おかげで温泉自体かなり贅沢な気分で入れたし、他のお客さんと貸切風呂がバッティングすることは一度もなかった。それだけではない。たとえば料理に力を入れる一点豪華主義の宿って、他の部分が、たとえば設えなどが「ちょっと残念」な場合があったりするもんだが饗家の場合はお宿全体が奥飛騨らしい鄙びた雰囲気でしっかり統一されている。

さりとてやはりここは料理の宿。
迎える客は1日五組。
旨い料理を出そうとおもったら、やはりこれくらいの規模に行き着くのかな。
築約150年という豪農の古民家の食事処。
重厚な太い梁、間接照明、ジャズが漂う大人な時間。
運ばれてくるたびにワクワクをさそう江間さんの料理は、いい意味で「旅館料理っぽくない」。
並みの料理なら、あの”食材の王者”に君臨してるような存在感のA5等級の飛騨牛に、他の料理の印象は吹き飛ばされてしまうはずなのに(いや、でも正直いうと後の岩魚の塩焼きは印象が薄くなったが)、饗家の料理の場合は江間さんの創意から生み出された部分がくっきり心に残っている。そして水面下に流れる、出汁が美味なこと、これにつきる。

帰りがけには帳場で料理長の江間さんとお父様が2人でお見送りしてくださった。
このお父様がもともとここでペンションをやっていたらしい。
とても実直そうなおふたり。
ふたりの並んでいる姿を思い浮かべながら、
饗家は”饗屋”ではなく、やはり”饗家”なんだな、などと思っている。

 

 

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