神奈川 箱根・芦之湯温泉 松坂屋本店
お部屋 ?露天風呂付「芦笛」

 

コの字形の通路が、外界との遮断された雰囲気を演出。帳場を抜けると中庭に向かって開ける視界、わらを塗りこんだ土壁の和モダンなロビーはこの宿のセンスを感じさせます。

 

お世話になったのは「芦笛」という露天風呂付の部屋。簡素で洗練された美しさを感じる。

 

お湯の色はその日その日で違うらしく、乳白色に白濁するときもあれば、淡い緑のときもあるし、一方の浴槽が白でもう一方は緑と言うこともあるそうだ。

 


宿は豊かな木々に囲まれ、森林浴気分に癒される。左下は若旦那がどうしても造りたかった囲炉裏の談話室。

 

都会的なテイストのダイニング。中央にオープンキッチンが配される。

 


前菜はから赤座海老の緑焼き、姫サザエはエスカルゴ風にたしかガーリック風味だったと記憶している。ほおずきの中にもお楽しみが仕掛けられてますよー。料理人の動作をみながら食事するのもまた楽しい。迷わずオーダーしたオリジナルビールもウマ!

 

一番ときめいた加茂茄子のクリームパイ包み

 


太刀魚は巻いて甘酢餡で味付け。千切りに切ったジャガイモを揚げたものがのって繊細な舌触りと香ばしさを生んでます。

 

余韻に浸りたくってぶらり寄り道。下戸とビール党がカクテルに挑む。

 

やった!エメラルドグリーンのお湯です。硫黄の匂いはきつく無く、不思議と品があり香りを楽しみながら入浴できた。

 

 

 

「緑色の湯」というのは、ありそうだけど実際はとっても珍しい。
ウワサに聞いていたここ松坂屋本店のある芦之湯と岩手の国見温泉と…えーと、えーと、もう思い浮かばない。 ここの湯はもうひとつの大きな特徴がある。フツー硫黄泉といえば、酸性と相場が決まっているのに、ここは弱アルカリ性なんです。そんな珍しい湯ならば当然、興味がわく。 箱根随一の良泉と言われ、お湯の実力に引かれて温泉通から非常に高い評価を受けてきたのだ。なによりあの温泉ビューティ研究家の石井さんが大好きなお宿でもある。

「へーっ。箱根にこんな静かな温泉地があるのかぁ。」
という驚きとともに芦之湯に到着したのでした。というのも、道中の箱根・宮ノ下や小涌谷あたりは平日だというのに道に人が溢れかえっていた。それを考えれ ばここはホントうそのような静けさ。4軒の宿がひっそりある。古道にいるような風情。松坂屋本店はその奥のほうに佇んでいた。
黒塗りの建物に木々の緑が良く映える。その佇まいを見たときは8室くらいの小さい宿かと思ったが、実際には渡り廊下で3つの棟がつながり、部屋数も18室あるようだ。
創業345年の老舗旅館。1年間の改装期間を経て、この度晴れてリニューアルオープンしたと聞くが、リニューアル前は32室あったと聞くから、結構大胆な方向転換だろう。
若旦那の意気込みが感じられるのが芦刈荘という一番奥にある棟。私たちがお世話になったのはその棟の「芦笛」。露天風呂付の部屋です。

部屋にいるとこれが森林浴気分。この静けさ、包み込むような木々の緑。避暑地にうってつけですね。棟棟をつなぐ渡り廊下ら見える 緑にも癒される。敷地内を古道が通っていたりもする。その古道は歴史的価値があるため、渡り廊下はそれをよけるようにいったん地下にもぐってまた地上へ現 れる。箱根でも一、二の老舗旅館をおおきくリニューアルするには相当の覚悟と決意があったに違いない。都会的なテイストのダイニングや最先端な和モダンの 客室など、時にはハラハラするくらい意欲的。でも古いものをお払い箱にしたわけではないようだ。実際、旧家の別荘風の部屋も健在だったり、古い建材などが 姿を変えて活躍している面白さがある。なによりベースは木造の宿。建物が生きている感じがする。

さて、まずは大浴場へ。浴槽が2つあって、そこに一切混じり気のない、温泉が湯船に注がれるそうです。「湯の表情」と評する人がい るほど、お湯の色はその日その日で違うらしい。乳白色に白濁するときもあれば、淡い緑のときもあるし、二つある浴槽のうち一方は白でもう一方は緑と言うこ ともあるようだ。お湯が「生きてる」感じがしますね。温泉通に言わせると、美しいエメラルドグリーンに出会えればラッキーらしい。ちなみにこの日はどちら の浴槽も乳白色に白濁した湯でした。

ダイニングはとっても都会的。オープンキッチンで料理人が仕事をしているのが見えます。自分たちのブース?に入る前にこのオープ ンキッチンで造りにする魚をお選びくださいとのこと。目の前には料理人。この人と相談しながら選んだりすればスマートで楽しいんだろうけど、人見知りなわ れわれは「どれにする?」と内輪でぼそぼそ相談しながら
3種類の中からアジとキンメダイをオーダー。エビスとギネスとのコラボで生まれたオリジナルビールがあるというので、迷わずオーダー。2層に分かれた生 ビールと黒ビールの生み出す色味の深いグラデーションがゆっくりゆっくり色合いを変えていく。ロマンティックだ。「箱根の夕暮れ」ナイスな命名だと思う。
赤座海老の緑焼き、姫サザエはエスカルゴ風にたしかガーリック風味だったと記憶している。ほおずきの中にもお楽しみが仕掛けられてますよー。種明かしはやめときましょ。
太刀魚は巻いて甘酢餡で味付け。千切りに切ったジャガイモを揚げたものがのって繊細な舌触りと香ばしさを生んでます。

朝風呂は部屋の露天風呂に決めた。やった!エメラルドグリーンのお湯です。
客室の露天風呂は浴槽が小さい分、湯の回転が早く、鮮度がたかいのか、エメラルドグリーン率が高いのかもしれません。
硫黄の匂いはきつく無く、不思議と品があり香りを楽しみながら入浴できた。
お部屋のお風呂ももちろん一切の妥協がないのがスゴイ。
石井さんの著書「温泉ビューティー」によると美肌・デトックスの特徴があるお湯のようです。連れは、女将さんの肌が「すっべすべ」であることを見逃さなかった。やっぱ女性は見るところが違いますね。

宿の若旦那とすこし話ができたが、とにかくい熱い。特に湯に関して熱い。「源泉主義」をテーマに掲げている。なるほど、このまっすぐな気持ちはおそらく代々受け継がれてきたもので、その気持ちがこの希少な湯を守ってきたのでしょう。
自家源泉を有するものとして「このままでよいのだろうか?」、その答えとして「温度に多少不便があっても」温泉に手を加えることはしたくない、と言う。
その気持ちが、客に提供する「湯」すべてに行き渡ってる気がする。

次回は足湯のあるメゾネットタイプの部屋にしようか、それともいっそのこと昔の雰囲気が残る部屋で、お湯と面と向かうのもいいかもしれない。

 

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