先日宿泊してきました信州高山温泉郷 山田温泉 風景館のことを動画で宿泊レポします。

こんにちはタビエルです。
長野県信州高山温泉郷山田温泉の風景館に泊まってまいりました。

山田温泉は善光寺のある長野市を背にして走ること30分ほどですが、そのまえにちょっと寄り道するとすればここ。

古い町並みに洒落乙カフェなんかがあったりする小布施は、立ち寄りするのにもってこいの距離にあります。そして小布施といえば栗。栗の栽培されている畑が道端にちらほら見えたりします。和栗だけでつくったモンブラン、厳密にいうとモンブランじゃないらしいですが、それが食べられる店があるんですが、そこは確か秋限定だったと思います。こちらはわりと通年食べられるエントツのモンブラン。
概要欄に以前小布施へ行った時のブログのリンクを張っておきます。

山に向かって走ると土壁の蔵や林檎畑、さらには蕎麦道場なる看板まで見えていよいよ信州の匂いがプンプンしてきました。民家が見えなくなってくると同時に木々に囲まれた山道、山田温泉も近い。

山田温泉は信州高山温泉郷のびとつ。他には奥山田温泉、七味温泉、五色温泉、松川渓谷温泉、蕨温泉、子安温泉などがある。いずれもほぼ一軒宿みたいな感じの温泉場のようですが山田温泉だけはかろうじて温泉街のようなものを形成しています。深く深くv字に削られた峡谷にそって宿屋が数件並ぶ静かな山の温泉地。 存在感ある共同浴場の大湯がシンボルとしてあります。ちなみに唐破風とはこの入り口のひさしというか屋根というかその部分を湾曲させてつくっていることをいうそうです。

その隣が風景館です。
約260年前の創業の歴史のあるお宿。ご主人の関谷さんは8代目にあたるそうだ。初代はもともと上杉謙信の家臣だったそうで、戦のあとここに移り住んだそうで、乱世とはいえたくさん人を切ってしまった。その償いで残りの人生をお寺の住職として人の心に寄り添うか、温泉宿を生業とし人の心を癒そうか、というところが始まりだったようです。
横に開けたロビーの窓からは松川渓谷の素晴らしい景色。

「純温泉協会」にのたてがフロントに飾られていました。友人のぐっちさんこと山口貴史さんが始めた協会で全国の温泉の、優れた湯づかいに対する認証制度なんですよ。

チェックインのあとは貸し切り風呂の予約です。希望の時間をスケジュール台帳に書き込みます。無料で40分利用できますよ。丸形と角型があって結構迷うと思いますが、個人的には広い湯船の角型をえらぶか、見晴らしの良い丸形をえらぶかという選び方になります。基本的に貸切風呂は一泊につきどちらか一方を一回利用できるというものですが、それほど厳密なルールではないようで、たまにスケジュール帳をのぞいてみてください。フロントに相談すると気軽にもう一回はいらせてもらえるんじゃないかと思います。

そのあとはラウンジでゆっくりフリードリンクをいただきましょう。
一見して大型旅館に感じるかもしれませんで、実際以前は40室あったそうですがいまは20室前後で営業しているようです。ですのでかなりゆったりした空間です。
目の前は壁のような対岸の山。鳥の飛んでる姿を上から眺めるというちょっとっ変わった体験ができます。
右手に少し見える和風の棟は美空ひばりさんなどの著名人も泊ったことがあるようですよ。

部屋

お部屋は「本館 和室10畳」でこのお宿の一番オーソドックスなタイプだと思います。近年にリニューアルされているようで、小奇麗でよいです。
そして部屋からもロビーーをさらに上回る景色!
ながめもこのタイプが一番良さそうなので初めての方はここを選んでおくのが間違いないと思います。
このお宿が一年で一番賑わうのは10月の中旬から11月の中旬にかけて。もちろんこの峡谷が紅葉にそまる時期。想像してみてもこれはすごそうです。

大浴場へ向かいましょう。

歴史のある宿でのあるあるで、廊下を歩いていると時代のありそうなところもあれば、きれいにリニューアルされているところもある。

内湯

一番乗りの内湯。戸を開けると硫黄の香り。
硫黄っていうと白濁したゴリゴリの酸性のお湯が思い浮かびますが、あれってオナラみたいなちょっと恥ずかしい匂いだったり、酸っぱいような刺激臭だったりですよね、だいたい。
ここのはアルカリ性が関係してるのか分りませんが、硫黄のくせになんとも穏やかな心地いい匂い。まぁ僕はおならのほうもも酸っぱいほうの匂いも割とすきですが。
シャンプー類でこの匂いを邪魔することに罪悪感を覚えるほど大切にしたい匂いだ。一番風呂の所為か入ってみるとキキリと熱く、血液が騒ぎ出します。そのせいか湯上がりには清涼感を感じました。
温度を下げるために水が少し足されているがこれは山の湧き水だそう。
源泉はこの上流1.5kmくらいのところで自噴しているそうです。すごいですね、自噴。つまり地面を何百メートルもボーイングしてポンプで汲み上げるんじゃなくて、自然に湧いてきているんです。古来からの温泉はこの自然湧出が多いということをぐっちさんが教えてくれました。

チェックインの前に見せていただきましたが、景色も含めて女湯もだいたいこんな感じだと思ってまちがいありませんよ。

貸切風呂へ向かいます。

 

貸切風呂

この渡り廊下はなんか秘湯の宿に来たような趣ですね。
行きつく先に、谷あいを見下ろすような場所に2ヶ所の貸切風呂があります。
こちら四角。
ハックルベリー・フィンのツリーハウスの家で風呂に入る気分です。

下がったところが丸型
絶景の露天風呂です。
お湯のよさはなぜかわからないけどこっちの方が良く感じた
舐めてみるとかるくしょっぱい。昆布茶くらいの塩気があります。どうりで温まるわけだ。

 

料理

さて夕食です。
料理はおおむね手作りだそうで、しかもこの周辺で取れる食材をなるべくつかおうということのようです、嬉しいですね。やっぱり旅に出ていく理由のひとつは、その土地その土地の味を味わってみたいというところがあるわけですから。
梅酒の食前酒からスタート。秋の序盤を感じる前菜。
何気なく口に運んだが茶色いヤツが無性に旨く、思わずメニューを見たのは信州牛ワイン煮でした。

以前泊まったときにイヅツワインが食前酒として出ていてこれがめちゃめちゃおいしかったから今回は、飲み物としてオーダー。

(一の段)
ぜんまいや栗などの白和え

(2の段)
お造りは信州のサーモンと岩魚。どちらも旨い具合に熟成したような味でとても旨かったです。

(椀物)
椀物は松茸と玉子豆腐のお吸い物。
このあたりは松茸も特産なんでしょうかね?道の駅みたいなところで地物が結構売られてました。

(牛)
こちらは信州プレミアム牛。
宿の料理コースはおもに二タイプで、そのちがいはこの牛肉がついているかいないかということのようです。今回は信州牛が付いている「贅沢ご飯プラン」で宿泊しています。
めちゃめちゃジューシーです。
ブルーベリーの塩と醤油が用意されていましたが、脂がたっぷりなお肉なのでワサビをのっけて醤油でというのが抜群に旨かったです。

実はこのジューシーなお肉以上に印象深かったのがいまから続く二品なんです。

(小布施茄子味噌田楽)
小布施茄子味噌田楽、超絶旨かったです。

(鍋物)
そして鍋物の信州豚米麹鍋。
二つに共通してるもの分りますか?
正解です、味噌なんです。

見た目どうしても「あぁ、旅館の料理でよく見かけるやつ」って思っちゃうじゃないですが。
でも食べてみると味噌の旨さがぜんぜん違います。
聞いてみるとこれ自家製味噌だそうで、お宿の向かいの建屋で木の樽で仕込んで2年寝かせたものだそう。角のとれた熟成の旨さです。

(ご飯)
ごはんは松茸入りのとろろをかけて。
どうやらこのとろろ飯はこのお宿のプチ名物となっているようで、前回泊ったときはまた別の味付けだったと思います。

(デザート)
デザートは2種類もたらされました。
相方と相談して仲良く一方を選んでくださいとのこと。
プリンと杏仁豆腐。そこにシャインマスカットがのってますね。
もし好みがかぶったら、力関係が浮き彫りに
(ブルブル)

 

夜の貸切風呂

食後、貸切風呂が空いているようなのでもう一回お願いしちゃいました。
ライトアップされて幻想的です。日中はちょっと恥ずかしいわ~という方も、この時間だったらよいでしょうね、きっと

おやすみなさい。

滝の湯

おはようございます。
早起きしたので、共同浴所へ滝の湯へ行ってみました。お宿で鍵をもらっていきます。 大湯とはまた別の、地元の方と宿泊者のみが利用できる共同浴場です。
貸し切りです。
熱い。罰ゲームとしても成り立たないくらい熱い。
でも水を足したら風呂の主みたいな人に怒られないかと思い頑張りました。
無理でした。
手ですくって体に振りかけるのが精一杯。降参です。

朝食

朝食はニジマスの甘露煮、信州ハーブ鶏の塩麹焼き、自家製玉子焼きなどなど
口当たりトロリとした、小布施の牛乳からつくるカスピ海ヨーグルト
信州米豚薬膳風鍋には、珍しそうなきのこの類がいくつか
リンゴジュースをベースにしたこんにゃく朝カレー
朝食までなかなかの充実ぶりでした。
朝食を終えると、チェックアウトまでゆっくりお過ごしください~
と清々しいお言葉をかけていただきました。

 

人間には作り出せないもの

いま思い浮かぶのは宿から見下ろした谷の絶景でした。峡谷を埋め尽くす圧倒的で整然とした木々たちの立ち姿。
人間の手では作り出せないものに会いたくなってあの地へ向かったんだなと思います。
この峡谷のスゴさ、微生物の力によって生み出されるうまい味噌、そして温泉。温泉は人間がどう頑張ってもつくりだせないというぐっちさんの言葉にもつながります。
そのお湯は記録のあるところまで遡ると600年前ほどになるそうだ。やがて山道の街道を歩いてきた人々が、湯小屋でいっときで汗を流すようになった。それが山田温泉の起源らしいですね。そしてそのときの湯が時間を超えて湯船に満たされているありがたさ。
僕たちはそんな人間の手では作り出せないものに無性にひかれるものなのでしょう。
チェックアウトしてもうしばらく自然の圧倒的な力を感じに行くことにしました。
快晴です。清々しい日。

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