先日宿泊してきました高湯温泉 ひげの家のことを動画で宿泊レポします。

宝石色の湯の魅惑

 

あいさつ

福島の高湯温泉、ひげの家に泊まってきたときのお話をします。

場所は福島県の福島市。市の中心地からわりと近いところにありまして、30~40分でいけるところですが、充分に山です。直接道は繋がってませんが山の向こうは山形県の米沢市という立地です。

このあたりの山は温泉天国で土湯温泉、野地温泉、新野地温泉、幕川温泉、鷲倉温泉、横向温泉(よこむき)、裏磐梯側におりると中ノ沢温泉、米沢側へ行くと姥湯温泉、滑川温泉、白布温泉があるという、名湯の密集地帯です。

 

フルーツライン

本日のお宿は、きっとこの山のどこかにあります。

道端のあちこちに農園が現れ、楽しい気分。

今(11月下旬)は林檎、それにブドウもぎりぎり残っていました

他の季節では桃、ナシ、イチゴなどがあるようです。

ひげの家へは「フルーツライン」と呼ばれる道路から山へ向かいます。

 

山道

ひげの家はですね、もう15年くらい前に知って以来のお気に入りで、何度となく通っているお宿です。これは液体化した宝石かと言いたくなるような青緑がかった乳白色の、硫黄の匂いする極上の温泉。そして料理がけっこう手が込んでいて、山の宿の田舎料理とは一線を画す料理が食べられるんです。

ハンドルを切るたびに俗世間を置き去りにしてきた満足感に浸っていると、硫黄の匂いが漂い始めて目指す場所が近いことを教えてくれます。

ここなら体内で生成された天然ガスをうっかり排出しても、気まずい思いをすることもない。(おなら天国)

たどり着いたのは高湯温泉。400年を超える歴史のある温泉地です。

今は11月でこの先は通行止めになってるんですが、雪解けの春から秋にかけては「磐梯吾妻スカイライン」が開通していて、こんな景色が見られるんですよ

 

到着

到着です。

ちょっとした日本料理屋に入っていくような気分

 

ロビー

ロビーは和モダンなテイスト。この椅子は飛騨産業だったか、柏木工だったか、とにかく飛騨の家具だったと記憶している。山形の湯どの庵もたしかそのあたりの家具で、あれが洗練された宿の雰囲気を大きく決めていますよね

部屋

沢音が聞こえています。

最近のひげの家は露天風呂付の客室までできて、高級旅館の様相を呈してきていますが、もちろんそちらにも興味はありますが今回は昔を懐かしむように和室8畳のお部屋を選びました。

部屋には硫黄の匂いが漂っていますが、すぐに麻痺して気が付かなくなります。ただテレビなどの電気製品は電気系統がやられて3ヶ月から半年くらいしか持たないそうですよ。

タオルをいれてお風呂へ行けるカゴがあるのは便利ですね。

 

温泉

あぁ何年ぶりかのひげの家のお湯とのご対面。

白く濁った湯、そして硫黄の匂い。これ以上温泉らしいお湯があるでしょうか。

光の具合でしょうか時々青白かったりエメラルドがかってたりホント白い湯は神秘的。

湯の花舞うお湯に身を沈めるとそこはもう至福のとき。

この湯を前に、温泉好きはひとたまりもありません。

 

酸性・含硫黄(硫化水素型)-アルミニウム・カルシウム硫酸塩温泉

 

露天風呂

露天風呂は、総檜の通路の先にあります。

ちなみに男湯はいちど浴衣を羽織ってから露天風呂へ行くことになるのですが、女湯はそのまま露天風呂へ行けるようです。

 

魅力の乳白色の湯は、濃厚で肌触りが滑らか。湯の華が沈殿していて、足でかき回すと濁りがさらに増す。木の縁に寝そべると、檜と硫黄の香りが絶妙の配分で鼻腔にとどき、脳天を官能へと誘う。

 

世のほとんどの温泉はボーリングして地中深くから温泉を汲み上げて来るわけですが、高湯温泉の場合は側を流れる渓流を見れば分かる通り、そこらじゅうから硫黄泉が自噴しているのです。ひげの家ではこれをそのまま湯船に引湯し、 かけ流しているためお湯が濃厚かつ新鮮だ。

テラス

風呂上がりにテラスで涼もうかとおもったが流石にこの時期は寒いので、ちょっと覗いただけ。ちなみに暖かいシーズンに訪れたときはこんな様子でした。

小鳥たちが渓流に沿って、飛びっぷりを披露していて、それを眺めながらコヒーとかビールをぐいっと。ほんと気分がよかったです。

いまでも「ここでビール飲めますよ」といいう吉報はもたらされるのだろうか

 

貸切露天風呂

一休みしていたら貸切風呂が空いたので、向かいました。

ここは空いていれば無料で利用できるんですよ。

札をひっくり返して階段を渓流のほうまで下っていくと、そこの木造の小屋が脱衣所だ。

パウダーをまぶしたようなさらりとした肌になった。

 

夜の帳

夕食前のひととき。暗くなるの早いですね。そして遠くに見える灯りが福島市内。

 

料理

料理は畳敷きの広間に、テーブル席。膝が痛い方にも楽で良いですね。

個室ではありませんが、テーブル同志は離れてますし他のお客さんが楽しんでいる雰囲気が程よく伝わってきて、これはこれでいいですね。

食前酒

食前酒はシードルで、これは吾妻山麓醸造所というところでつくられたものだそうです。「果樹園やまと」さんとか、「たかはし果樹園」さんをはじめ福島市内のりんご農家さんが育てた福島市産のりんごからつくられているそうです。

先付け

金時人参のすり流し

前菜

前菜は柿と蓮根のなます、胡桃餡煮、芹の黒ごまあえ、鮭の子、銀杏芋

造り

お造りはなんだったけかな。このかんじだとはまち?かんぱち?あたりかな。

 

煮物

天蕪菊花餡かけ。きれい。お隣りの県、山形は菊をよく食べる県なんですよね。逃げられた。

 

朴葉みそ焼き

飛騨とか奥飛騨でよく出てくるやつですが、これが牡蛎なのははじめて。

いきなり牡蛎にはいかず零余子あたりから様子を伺う。なるほど、そう来たか。

 

口がわり

焼いた茸が3種。あわび茸、平茸、舞茸があるようだ。胡桃酢和えになっている。

酢がほんのり苦手な自分としては、塩とか醤油でダイレクトに味わいたかったかも

 

山の水

誇らしげに水が置いてあったので飲んでみたらうまかった

ステーキ

黒毛和牛のステーキ

 

新蕎麦豆腐

蕎麦がきに近いものですね。

 

椀物

秋刀魚のつみれ汁

夜の部屋

おやすみなさい

 

朝食

秘湯の宿ってありますでしょう。

今ではいろんな方向性の秘湯の宿があるので一概に「こういうもの」って言えるもんでもないですが、15年くらい前というのはある程度の傾向を思い浮かべることができた時代です。

人里離れた山奥に、天然の温泉を守ってひっそりとある小さな山の宿。

お湯はいい。お湯だけはいい、、、。

そして「不便さがいいんだよ」といってしまえる少数派が集う場所だったんですね。

まぁ実際にそういう宿があるかどうかは別にして、女性はその辺が心配になるわけです。

ひげの家はそういう秘湯界隈のお宿にあって、女性でも安心して、いやむしろ前のめりに訪れたくなるお宿、その先駆けだったのです。

山野草の飾られた館内、ロビーは当時流行り始めていた和モダンにリニューアルされ、お料理はザ・山の宿の料理というものではなく、「料理楽しみだな~」って思える秘湯になったわけです。

湯治客やマニアの間だけで珍重されてきた極上のお湯を一般人の、しかも女性にまで解放した宿と言えます。

 

朝風呂

朝起きて露天風呂に出た。

湯が朝日に照らされて青白い光を返す。足先を沈めていく。底にたどり着く。湯の花が底に沈殿していてフワフワと綿が敷いてあるようだ。一番風呂の特権。足でぐいぐいかき回すと濁りがモワモワと浮き上がり湯がグリーンがかってきた。

源泉温度は48℃で、浴槽の注ぎ口の温度はちょうどいい42℃。偶然なのか、それとも人間を喜ばすために自然起こした奇跡でしょうか。

誰もいない朝風呂。ざぶんと入って木の縁に寝そべるを、繰り返す。ひんやりした空気が心地いい。寝そべった目線の先でターコイズブルーの湯が揺れる。

新鮮な空気が沢音を運んでくる。脳が浄化されていくようで何も考えられない。

この寝そべったところから見える色彩を、心にしまっておくだけにした。

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